食事中やふとした時に詰め物がとれてしまった経験はありませんか?
実は、詰め物(インレー)やかぶせた物(クラウン)がとれるには理由があるのです。
今月は「なぜ詰め物はとれるのか?」についてのお話です。
虫歯や歯が欠けたときに、欠損したところを補うために部分的に詰めるものをインレー、歯全体をかぶせるようにして補うものをクラウンと言います。
詰め物、かぶせ物がとれる原因
虫歯
虫歯を削って詰め物をしたにもかかわらず、詰め物の下からまた虫歯になってしまうことがあります。
これを二次カリエスと言います。
詰め物やかぶせ物セメントの劣化などにより、歯との間に隙間や段差が生じ、その隙間や段差から虫歯菌が入り込み、さらによく磨けていなかったりすることで、再度虫歯になることがあります。
二次カリエスが原因で詰め物、かぶせ物が外れてくる場合があります。
セメントや金属の劣化
詰め物、かぶせ物は接着剤(セメント)を使い歯に着けていきます。
このセメントが劣化してしまうと外れてきてしまう場合があります。
また、金属自体が劣化してしまう場合もあります。
歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりによって、横に揺さぶる力が過剰に継続的に加わると、詰め物やかぶせ物の辺縁部に力が集中することが多くなります。
その集中部分のセメントが溶けだしたり、歯質が破壊されたりして、詰め物かぶせ物が外れてくる場合もあります。
歯ぎしりは、詰め物やかぶせ物が外れてしまうだけでなく、歯が割れてしまったり、歯周病を悪化させる原因にもなります。
詰め物やかぶせ物がとれてしまったら…
詰め物かぶせ物がとれてしまったら、早めの受診をお勧めいたします。
詰め物やかぶせ物がとれてしまってから時間が経ちすぎてしまうと、そこからさらに虫歯が広がってしまったり、残っている歯が欠けてしまったりすることもあります。
とれた所に食べ物がはさまって、歯ぐきが炎症を起こすこともあります。
とれた歯の周りのかみ合わせが変わり、嚙みにくくなるため反対ばかりで噛み、あごにも負担がかかります。お口の中の些細な変化も、時が経てば大きな変化をもたらします。
詰め物やかぶせ物がとれてしまったら、そのままで放置せずに、とれてしまったものをそのままお持ちください。作りかえないといけない場合がありますが、そのまま元に戻せる場合もあります。
治療方法は原因によって異なりますが、まずはお気軽にご相談ください。
作成者 北村