今月の歯科衛生士通信は『フッ化物洗口』についてのお話です。
虫歯予防に『フッ素』が有効であることは広く知られていますね。
フッ素には、歯を強くする、初期の虫歯を修復する、虫歯原因菌の酸産生を抑制するという3つの虫歯予防作用があります。
そのフッ素を歯に局所的に作用させる方法は主に3つあります。
(1)フッ化物入りの歯磨き粉の使用
(2)フッ化物歯面塗布
(3)フッ化物洗口
実は、この中で一番予防効果が期待できるのが、フッ化物洗口なのです。
フッ化物使い方別、永久歯の虫歯予防効果
フッ化物洗口 … 30.5~79%← 効果的で簡単!
フッ化物歯面塗布 … 20~40%
フッ化物入り歯磨き剤 … 20~40%
フッ化物洗口法
フッ化物洗口とは、永久歯の虫歯予防を目的に一定の濃度のフッ化ナトリウムを含む溶液で、約30秒ブクブクうがいをする方法です。
使用するフッ化物濃度は低く、使用量も毎日法で、1日1回5~10mlと使用量も少ないため、安全性も高い方法です。
歯ブラシの届かない奥歯の溝の部分や歯と歯の間にもフッ素が届き、虫歯に対して抵抗性のある歯を育てます。
永久歯の萌出時期である4~15歳ごろに継続して行うと効果的です。
歯の萌出直後のエナメル質成熟期にフッ化物洗口をすると、歯質が強化され洗口をやめた後も効果が持続します。
当院では、ビーブランドという洗口剤を取り扱っております。(税込み ¥670)
うがいが出来るようになった4歳頃から使用可能です。
フッ化物洗口は、お子様だけでなく、矯正治療中の方、虫歯多発者、高齢者の根面う蝕予防にも有効です。
フッ素の急性中毒について
フッ化物による急性中毒ですが、体重15キロの子供(4歳頃)の急性中毒量は30mgFです。
フッ化物洗口(毎日法)の1回の使用量に含まれるフッ化物の量は、1.13~1.58mgF(225~250ppmFを5~7ml)ですので、もし1回量を誤飲しても問題ありませんので安心してお使いいただけます。
※虫歯予防には、フッ化物を上手に利用すること、上手な間食の取り方、歯磨きやフロスをすることが基本です。フッ化物洗口をしていても、歯磨きをしない、甘い物をダラダラ食べていた場合は虫歯ができることもあります。
いかがでしたか?お口の健康を守るために、簡単、効果的なフッ化物洗口習慣を始めてみませんか?
作成者 北村