虫歯や歯周病の原因や過程については過去の歯科衛生士通信をご覧ください。虫歯予防&歯周病予防は、自分自身でお口の管理をしなければ不可能です。逆にいえば「じゃあ逆に自分自身でお口の管理ができていれば、歯医者に行く必要ないじゃないか!」と思いませんか?
次に、虫歯&歯周病予防における歯科医院の役割についてお話します。
虫歯も歯周病も口の中の常在菌が1つの原因になっています。健康な体にも存在する菌であり、ほとんどの人の口の中に存在します。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在せず、生後の生活の中で感染します。
ほとんどの人がどれか1つはやったことがあると思います。特に1つの大皿を家族で一緒に食べたり、お母さんやお父さんのスプーンでお子さんに食事をあたえたりすることでも、虫歯菌&歯周病菌は移動します。
虫歯菌&歯周病菌が多いと虫歯菌&歯周病になりやすい人といえます。でも、実際にお口の中にどれくらいの細菌がいるのか目視するのは不可能ですし、感染の機会を減らすことはできても完全に0にすることは出来ません。
だからこそ歯医者さんには、お口の中の細菌叢の管理をしに行く所、痛い思いをしないために行く所という意識をもっていただきたいです。
歯科医院での虫歯&歯周病予防
自分の磨けていない部分がわかる
2. 市販では取り扱っていない、高濃度(9000ppm)フッ素が塗れる
3. お口の中の細菌叢の管理
1. 正しいブラッシングの見直しができる、自分の磨けていない部分がわかる
毎日のブラッシングで磨き残しを少なくできていれば虫歯&歯周病リスクは格段に下がります。磨き残しがあれば、虫歯菌&歯周病菌は集まってきます!
2. 市販では取り扱っていない高濃度(9000ppm)フッ素が塗れる。【虫歯予防】
市販では、フッ素濃度1450ppmまでの製品しか販売されていませんが、歯科医院では9000ppmのフッ素を塗ることができます。フッ素には虫歯菌が酸を作るのを抑制する効果があります。虫歯予防にもなりますが、初期虫歯の治療にも使われています。1~3か月に1回継続して塗ることで効果が出ます。個人差はありますが、このような治療結果もあります。
3. お口の中の細菌叢の管理
お口の中の細菌を0にすることは不可能です。虫歯の原因であるミュータンス菌は1%でも残っていたら1時間で2%、7時間で128%増殖するといわれています。市販の殺菌効果のある洗口液で洗口しても8割の細菌は生き残っているといわれています。人体に対して安全な濃度の薬剤には、お口の中の全ての細菌を殺菌することは出来ません。
歯医者さんでの細菌叢管理は、歯医者さんの機材を使用し物理的にバイオフィルム(細菌の住処)を破壊したり、歯ブラシでは届かない歯周ポケット内部の細菌を減らしたりすることで、虫歯&歯周病のリスクを下げます。
いかがでしたか?歯は治療を重ねるたびに歯の寿命が減っていきます。ぜひ、治療になる前に定期的に歯医者さんに細菌管理をしに来て下さい。
DH路川