今月は口呼吸といびきの関係性についてのお話です。なぜ、口呼吸だといびきが出やすいのでしょうか?
寝ている間に口呼吸になると、舌が気道へと落ち込みやすくなります。もともと睡眠時は全身の筋肉が緩むため、起きているときよりも気道が狭くなります。
舌に塞がれた気道はさらに狭くなり、空気が通りにくくなります。気道が狭くなって空気が通りにくくなった人は、必要な酸素を得るために無意識のうちに思いきり息を吸うようになります。
その時に狭い気道を空気が加速して通り抜けるため、気道の粘膜が大きく振動して音が出るのです。
口呼吸になる原因
①鼻づまり
アレルギー性鼻炎、花粉症などで鼻が詰まっていると鼻で呼吸するのが苦しくなります。鼻での呼吸が苦しいと口で呼吸する方が楽になるので自然と口呼吸の回数が増えます。
②歯並び
歯並びの問題により物理的に口が閉じにくくなっている人がいます。そのような人は自然と口が開いてしまうので口呼吸になってしまいます。
③口周りの筋肉が弱い
口周りの筋肉、特に口輪筋などの筋肉が低下すると口呼吸になりやすく、お子様の場合は、口輪筋がしっかり発達していないと口呼吸になりやすくなります。
舌が原因でいびきが出る理由
①舌の筋肉の衰え
舌の筋肉が衰えると舌が重力に逆らえず、気道を塞いでしまうことがあります。(舌根沈下)加齢により舌の筋肉が緩んでくると睡眠時に起こりやすくなります。舌根沈下により気道が狭くなると、いびきが出やすくなります。高齢者、特に女性の高齢者は筋肉の力が弱いため、舌の筋肉も衰えていることが多いです。
②舌の肥大
舌が肥大してしまうと喉に落ち込みやすくなり、いびきを生じることがあります。肥大の原因は主にむくみや肥満です。
③舌の位置が低い
舌が正常な位置よりも低い位置にある状態を「低位舌」と言います。低位舌の人は口を閉じてしまうと気道が塞がれやすくなってしまうため、気道を広げようとして口呼吸になりやすいです。寝ているときも同様に、気道が塞がれないように無意識のうちに口呼吸となるため、いびきが出やすくなります。
口呼吸の改善策
口呼吸は無意識で行っていることがほとんどですので、意識的に行動を変えていくことが大切です。
①口周りの筋肉をトレーニングする。舌を正しい位置にする。
②睡眠の際は市販されている口テープを使用する。
③鼻炎や花粉症の症状をお持ちの方は治療を行う。
④歯並びのせいで口が閉じにくい場合は歯医者さんに相談する。
いかがでしたか?気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
作成者 北村