矯正的挺出を行いセラミックで治療した例②

生物学的幅径が侵害された歯に矯正的挺出を行い セラミックをかぶせた症例その②です。
この症例の治療費はファイバーコア+ジルコニアクラウン99000円+MTM歯周外科で44000円です。

赤線で囲んだ部分が虫歯になってしまいました。このぶぶんは歯肉縁下(しにくえんか)といい、歯茎に隠れた位置の虫歯で、通常は削りきることができず予後不良となり抜歯が推奨されてしまう状態です。

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虫歯が歯肉の下まで進んでしまった場合、正常な生物学的幅径が失われていますので、これを少しでも正常値に近づけるような治療法を考えます。今回は矯正的挺出と歯周外科による歯冠延長術を行うことにしました。

約1か月矯正的挺出という歯を引っ張り上げる技術を用いて歯を引っ張り上げています。それでも歯肉縁下の虫歯が大きく、処置が難しい歯でした。

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ワイヤーを除去し、コアという土台を入れる治療を行った後の歯周外科の写真です。

臨床的歯冠延長術という手法は私は良く行います。

一旦メスで歯と歯茎の境目に切開を入れて剥がしています。話を聞くと恐ろしく怖がってしまう方も多いですが、写真のように出血もほとんどなく痛みも少ないです。

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歯茎の治りを待った後、ジルコニアクラウンでかぶせました。

本来抜歯となるような歯でも、自費治療のオプションでこんなにキレイに機能を回復して歯をかぶせることが可能です。

治療期間 約3か月

注意点として挺出後に後戻りする可能性、外科手術後に痛みが出る可能性があります。