フッ素の働きと使い方

虫歯予防に効果があるのは、1位:フッ化物応用、2位:糖質制限、3位:ブラッシングといわれています。

フッ素を聞いたことある方はたくさんいらっしゃると思いますが、具体的にどんな効果があったり、どんな使い方があるかあまり知られていないので、今回はフッ素について深堀していきます。

フッ素の3つの働き

(1)歯質強化・・・歯の表面を溶けにくくし、虫歯菌への抵抗力を高める
(2)再石灰化促進・・・酸により、歯から溶け出したCa、Pを補うことを促進する
(3)細菌の酸産生抑制・・・虫歯菌の働きを弱め酸が作られるのを抑える

 

フッ素の使い方

歯科医院【プロケア】

ガツンと1発エナメル質強化をする!
現在市販では、フッ素濃度1450ppmまでの商品しか販売されていませんが、歯科医院では、高濃度9000ppmのフッ素を取り扱っています。クリーニング後に高濃度フッ素を塗布することにより虫歯予防になります。1度だけでは効果は期待できないので、定期的に(1~3か月に1回)塗布していきます。
当院では、通電させることで歯質により多くのフッ化物を浸透させるイオン導入を自費で行っております。イオン導入については過去の衛生士通信で紹介されていますので、そちらを参考にしてください。

ホームケア

コツコツ毎日、フッ素補充!
歯科医院で塗布した高濃度のフッ素も時間の経過とともに減っていきます。
ご自宅では、高濃度フッ素の減少分を毎日補充するという意味で、低濃度であっても、フッ化物が含有された歯磨き粉や、ジェル、洗口液を使ってください。
ちなみに、虫歯予防の効果は、1位フッ化物洗口(50~80%)2位フッ化物塗(30~40%)3位フッ素入り歯磨き粉(20~30%)となっています。

フッ素で削らない虫歯治療
削って治療すればするほど歯の寿命は減っていきます。虫歯のレベルによっては、削らずにフッ素を塗るだけで進行を食い止めることができます。

初期虫歯

初期虫歯は基本的に削って、詰めての治療はしません。しかし、表面上には穴が開いてないようにみえても内部では穴が開いている初期虫歯はとてもデリケートで、表面の薄いガラスがいつ割れて、突然穴が出現するか分かりません。そうならないためにも、初期虫歯になってしまったら適切なホームケアを毎日行い、定期的に高濃度フッ素を塗って初期虫歯の進行を抑えましょう。

根面虫歯

加齢、歯周病、過度のブラッシング圧など、様々な原因で歯肉は下がります。
すると、本来は歯肉に覆われているはずの歯の根元が出てきます。歯の根元は歯の頭の部分に比べて柔らかく、溶けやすく、虫歯になりやすいです。理論上は、白米やお味噌汁でも溶けてしまうほどか弱いです。下の画像のような根面虫歯には、フッ化物配合歯磨き粉(1100ppm~1450ppm)とフッ化物配合洗口液(250ppm~900ppm)を毎日併用することにより、虫歯が非活動性になり歯の表面が強くなるということがわかっています。

いかがでしたか?当院でもフッ素配合の製品をいくつか取り扱っています。どれを選べばわからない、今持っている商品の使い方があっているか分からないなど、不安なことや疑問があればいつでも聞いてください!

DH路川