「誤嚥性肺炎」いう病気をご存知ですか?
厚生労働省によると、肺炎で亡くなる方は、悪性新生物、心疾患に次ぐ死因となっており、世界的に見ても死亡率の高い病気です。
肺炎で亡くなる方のほとんどは65歳以上の高齢者で、その多くが「誤嚥性肺炎」と言われています。(70歳以上の肺炎の80%が誤嚥性肺炎)
一見、歯科とは無関係のように思われますが、実はお口のケアと深く関わりがあるのです。 今月号は「誤嚥性肺炎」についてのお話です。
誤嚥性肺炎とは
唾液や食べ物を飲み込むときに、誤って気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)と言います。
通常は気管に食べ物などが入ってしまった場合、むせることで異物を排出する反射機能が働きます。
この機能が鈍くなり、排出できなかった異物が肺に入ったままになり、肺の中で炎症が起こってしまうことを誤嚥性肺炎と言います。
口の中の細菌が増えること、舌やその周辺の筋力が衰えること、細菌に対する体の免疫力が低下することの3つで誤嚥性肺炎は起こります。
そのため、口の中を清潔に保つことが大切です。
誤嚥性肺炎を予防するために…
歯磨きに加えて舌も磨きましょう
舌の上には舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れが付着しています。
これは食べかすや粘膜などが溜まったもので細菌の温床になりやすいのです。
舌苔が分厚くなると細菌の量が増えるので誤嚥性肺炎のリスクを高めます。
菌が増えている起床後や歯磨き後に、一日一回舌磨きを行いましょう。
義歯の手入れをきちんとしましょう
義歯も歯と同じように歯垢が付着します。食事が終わったら義歯ブラシを使い丁寧に磨きましょう。
ブラシだけでは落とせない細菌を除去するため、一日一回は義歯の洗浄剤を使い清掃しましょう。
定期的なメインテナンスを受けましょう
セルフケアでケアできない部分をプロのケアで補います。良い口腔環境になるよう私たちがお手伝いさせていただきます。
※口の中を清潔に保つことの他にも、口周りの筋肉をしっかりと使うことも大切です。食事の際は、背筋を伸ばし、少しずつゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。
口の中の細菌を減らすことで病気にかかるリスクを下げることができます。毎日のお手入れに舌磨きを加えてみてはいかがでしょうか?
気になることなどございましたら、お気軽にスタッフまでお声掛けください。
作成者:北村