「歯ごたえ」とは?

今月は「歯ごたえ」についてのお話です。

「歯ごたえ」とは、食べ物を噛んだ時に感じるかたさ・弾力・シャキッとした感覚など、いわゆる「噛み応え・食感の刺激」を指します。

歯ごたえは、歯根膜という歯とあごの骨をつなぐ組織で感じ取っています。

歯根膜とは

歯根膜は、歯の根っこと歯槽骨の間にある、0.2mmほどのとても薄い膜です。コラーゲン繊維や神経、血管が豊富で“クッションの役割も担っています。

特徴的なのは「高度な知覚受容器がたくさん含まれていること」です。例えば、食べ物を噛むとき、歯にはとても強い力がかかっています。

歯根膜はその力をクッションのよう・分散して歯や骨を保護してくれています。硬いものをガリッと噛んでしまっても歯や周りの骨が無事なのは、歯根膜があるからです。

歯ごたえを感じる仕組み

①噛むと力が歯にかかる
②その力が歯根膜を介して、骨や神経に伝わる
③歯根膜にある「圧覚」「触覚」「痛覚」などのセンサーが刺激を受ける
④それが脳に伝わり、「この食べ物は硬い」「シャッキッとしてる」などと感じる。

歯根膜は歯ごたえの感じ方に大きく関係する

・歯根膜があるおかげで、力の微妙な差や硬さの違いを明確に判別できる。
・インプラントにはこの歯根膜はないため天然歯の歯ごたえとは違い、硬さの感じが感じにくくなります。
・歯根膜に炎症が起こると、硬いものを噛んだ時に浮いた感じや変な違和感、鈍さを感じることもあります。(歯根膜炎)

【歯根膜炎】
歯根膜炎には細菌感染が原因で起こるものと、外傷(歯ぎしりや食いしばりなど)で引き起こされるものがあります。

歯根膜は歯が抜けると一緒にとれてしまいます。つまり、歯根膜を失ってしまうと、ご飯を食べたときの食感も一緒に失われてしまうのです。

入れ歯やインプラントで歯を補っても歯根膜は再現できません。

食事をおいしく食べるためには自分自身の歯を守る必要があります。ご自身の歯を守るために、ホームケアをしっかり行い、定期的なメインテナンスを受けて、
健康な歯を維持していきましょう。

作成者:北村