小児ライフステージ別の「食育」

梅雨の季節がやってまいりました。少しジメジメとすっきりしない空模様の日もありますが、お口の中はいつでもすっきりとしていたいですね!

さて、今月は小児のライフステージ別の食育についてお話していきます。

正しい食べ方は自然に身に付くものではありません。小さい頃から正しく食べることを身につけることが生涯健康でいられることに繋がります。

ライフステージ乳幼児期~食べ方を育てる~

この時期は、食べ方を育てる時期です。大切なことは…

①楽しく食べること
②味わって食べること
③食の自立です。

ポイントとして押さえておきたいのは食べ物を認知し、一口量を調整して適切な量を身につけさせることです。

生後2か月~

この頃から指しゃぶりが始まり、4カ月頃には何でも口に入れてしゃぶったりなめたりします。この行動は感知能力を高めるために行っていて、感知能力を養っているためです。赤ちゃんにとってお口はセンサーです。

生後5~6か月

離乳食を始める時期です。ミルクや母乳を飲みたいだけ与えながら、子供の様子を見て1日1回1さじずつ始めます。調理形態はなめらかにすりつぶした状態、舌でつぶせる固さです。

栄養を摂取するほかにも、口腔機能発達不全に陥らないよう舌を正しく使うことを身につけさせることも大切なため、スプーンをお口にはこぶときには、スプーンをお口の奥に入れすぎないように気をつけましょう。個人差はありますが、下の前歯が生えてくる時期です。

生後9~11カ月

食事のリズムを大切にして、徐々に1日3回の食生活へ習慣作りをします。家族一緒に楽しい食卓体験をさせます。

調理形態は、歯茎でつぶせる固さです。

1歳前後

手づかみ食べを始め、ひと口で食べられる量を教える。(バナナ、お芋などがおススメ)

徐々に手づかみ食べからスプーン食べへ移行させていきます。一口でどのくらい食べられるのかを身につけさせます。

 

3歳頃

乳歯が生え揃い、咬みつぶすことができます。味を覚えている最中なので、味付けは薄味にしましょう。

ライフステージ6才~学齢期~食べ方を育てる~

この時期は、歯の生え方に応じた食べ方を身につけます。

五感を育てる咀嚼習慣の育成の時期です。

(五感を意識した食べ方)

6才頃

6歳臼歯が生え、前歯が生え変わる時期です。

6歳臼歯が生えると食べ物をすり潰す力も高まるので噛み応えのある食べ物を食卓に並べるようにしましょう。また、前歯が生え変わる時期は、前歯が嚙み合わないために飲み込む時に舌が前に出てしまうことがあります。しっかりと唇を閉じて食べるように心掛けることが大切です。

前歯が生えそろった後はひと口量を前歯で噛みとる食べ方を練習させましょう。

小学3.4年生頃

この頃は、乳歯の奥歯が生え変わり始めます。一時的に上下の歯が咬みあわなくなるので、咬む力も弱まり、子供自身も咬みづらさを感じます。

この時期は唇をしっかり閉じて食べるようにし、お口の中や頬の内側に食べ物が残らないようにしましょう。すぐに飲み込んでしまわないよう、噛む回数を増やし、しっかりと噛む食べ方を身につけさせましょう。(一口30回噛む)

押し込んで食べることや、丸飲みをしないように気をつけましょう。

小学5.6年生頃

6歳臼歯の後ろにさらにもう一本奥歯が生えてきます。この時期は噛む力をさらに高めていく必要があります。

左右の奥歯を使って上手にしっかりと噛んで食べるように意識させましょう。

ゆっくりよく噛んで食べると食べ物の味もよくわかり、満足感も得られます。

食べ方ひとつで感覚が変わっていきます。

 

あまり噛まない食べ方は、満足感を得るまでに時間がかかり、食べすぎて肥満になることがありますし、歯並びにも影響します。

子供の頃から心と身体によい食べ方を身につけることで生活習慣病予防をすることができます。

子供の将来の健康のためにも正しい食べ方を育てましょう。

 

作成者 北村