根面のむし歯(根面カリエス)

今回は根面のむし歯(根面カリエス)についてです。

歯の根面は露出してくるようになると、特にむし歯になりやすい部分になります。歯の根っこ表面はエナメル質でなく象牙質で覆われており、口の中の細菌の酸に弱く、歯の成分が溶けだしやすくなります。

そのため、露出した根面はむし歯になりやすく、歯の噛むところ(エナメル質)が無事でも、根元だけがむし歯になってしまう、という症状はよく見られます。

根面カリエスの原因

①加齢による歯肉が下がる
②歯周病で歯肉が下がることによるリスク

年齢とともに歯肉が下がることが多いため、根面のむし歯は高齢になると増えますが、歯周病などで歯肉が下がれば、若い人にも起こります。

過剰な力での歯磨き

強い力で歯みがきを続けると、歯肉が下がっていくようになります。そのために露出した根の部分が虫歯になりやすくなります。

お口の乾燥、唾液の分泌量の減少

加齢や服薬、放射線治療などにより、唾液量が減ると、口の中が乾燥し、唾液の歯の補修作用が十分に働かなくなるため、根面のむし歯も悪化しやすくなります。

根面カリエスの問題

早期の発見が難しい

治療後も長持ちしにくい

根面のむし歯が広がっている時、歯の根の治療をして被せ物を入れるときがあります。
こうした場合、歯周病によりあごの骨が減っていると、歯ぐきより上に出ている部分が増えてバランスが悪くなったり、根の歯質が減っているなどの理由で破折のリスクも上がるので、予後が悪くなります。
歯茎より下にいく虫歯は被せ物を完全にすることも難しいので、感染のリスクも少なくありません。

まず治療が難しい

噛むところのむし歯は、虫歯の部分をすべて除去して、進行を止めてから詰め物や被せ物を入れます。ですが、根面う蝕はそうした対応が難しいです。また、歯の根に深くむし歯ができている場合、むし歯部分を残らず除去しようとすると、歯が折れてしまう可能性が高いです。
根面にできたむし歯は、歯ぐきの中の象牙質に広がっていくことがあります。器具が届かないため、むし歯部分を除去できませんし、詰め物をするのも困難です。
また根面のむし歯は、歯のまわりをぐるりと取り囲むように進行することもあります。これもむし歯部分の除去を難しくしています。

セルフケアが難しい

根面は歯ブラシが届きにくい場所で、みがき残しが多くなりがちで、当てているつもりでも当たっていない、ということもよくあります。

根面カリエスの予防、対策

歯肉をなるべく下げない

根面う蝕では歯肉が下がって露出した根面がむし歯になりますので、「歯肉を下げないこと」が一番の予防になります。
とくに歯肉が下がる原因となるのは「歯周病」です。
むし歯と同じように、根面う蝕の予防も歯みがきが基本です。強い力での歯磨きで歯の根っこを削れてしまうこともあるので、磨き方を気をつけることも効果があります。

・フロスや歯間ブラシの使用

歯と歯の間の清掃がおろそかだと、そこから歯周病になってしまいます。根面にむし歯ができはじめる場所も歯と歯の間の根元まわりが多いので、歯磨きだけでなくフロスや歯間ブラシの使用は大事です。

フッ素を活用

高濃度のフッ素配合歯磨き剤や、フッ素洗口液も根面うしょくの予防に効果があります。
歯肉の低下、腫れや歯のぐらつきなどを感じる前から、歯科医院にメインテナンスに通って、定期的に歯周病の検査をしてもらいましょう。また、その際は歯のクリーニングもしてもらいましょう。歯肉を傷つけない、適切な磨き方を歯科医院で教えてもらいましょう。