8月の歯科衛生士通信は、「親知らず」について取り上げます。
まず、親知らずとは前歯から数えて8番目の歯、最後に生えてくる永久歯です。正式な名所は、「第三大臼歯」で「智歯」とも呼ばれています。
親知らずは、かつて奥歯として使われていましたが、食生活の変化や昔の人に比べて現代人は顎が小さくなってきた為、生えるスペースが無くなり横を向いたり斜めになったりして生えてきます。
その為、虫歯や歯周病などトラブルが多いのが特徴です。
親知らずの生え方“3タイプ”
①正しく生えている
他の歯と同じように真っ直ぐ生えているタイプです。噛み合わせも良い状態であれば、トラブルは起きにくいと考えられています。
②横向き又は斜めに生えている
歯が一部だけ出ているタイプです。
このような場合、ブラッシングがしにくく虫歯や歯周病になるリスクが高いです。
③完全に埋まっている
この場合は、レントゲン写真で確認が出来ます。
親知らずは抜かないといけないの?
抜いた方がいい場合
・虫歯や歯周病になってしまった。
親知らずは一番奥に生えている為、器具が届きにくく虫歯の治療が難しい場合があります。また、治療が出来たとしてもお手入れがしにくい状態であれば再び虫歯や歯周病になってしまうリスクもあるため抜歯をオススメすることが多いです。
・斜めや横向きに生えている。
歯が一部しか出ていないので、歯と歯の間や歯と歯茎の間には、汚れが溜まりやすく歯肉の炎症が起こりやすい状態になっています。また、親知らず周囲に炎症がでることを「智歯周囲炎」と言い、歯肉の腫れや痛みの他、炎症が広がると頬全体が腫れるなどの症状がでます。このような症状が繰り返されている場合には、抜歯が適切と考えられます。
・歯並びの関係や噛み合わせに問題がある場合も抜歯をおすすめすることがあります。
抜かなくてもいい場合
・真っ直ぐ生えていて、上下噛み合っている。(清掃状態も良い場合)
・完全に埋まっている。
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いかがでしたか?親知らずは、必ず抜かないといけない訳ではありません。
トラブルとしては起きやすい歯ではありますが、将来入れ歯やブリッジの土台として使える場合もあります。
また、こうしたトラブルを防ぐためにもまずはブラッシングが大切です。親知らずを磨く際には、ヘッドが小さめの歯ブラシをぜひ使用してみて下さい。
作成者:奥貫