インプラントの症例(自由診療)

15年ほど前のレントゲン写真です。更に前よりトラブルを抱えていた歯で、根管治療(歯の神経を取ること)をしましたが奏功せず、ヘミセクション(歯根分割抜歯といい、歯を半分にし悪いほうの根を抜き、もう半分を残す)という処置もしましたが残念ながら抜歯となってしまいました。

抜歯の後にブリッジを選択しましたが、数年で隣の歯がだめになってしまいました(▲の歯)。欠損した歯の長さが大きく(図の赤線部)後ろの歯が力に耐えられませんでした。

歯は咀嚼や嚥下など(食べる)という仕事をしています。28本(人)で仕事

抜けてしまう=退職などで欠員が出る状態
入れ歯やブリッジはあくまでもバイト社員です。天然歯(正社員)と同じようには働けません。

やはり歯を失わないようにすることが最も大切です。歯が抜けてしまう原因は、「虫歯」「歯周病」「異常な力」の3つが絡み合っています。それらを考慮して1本でも抜けないように歯科を受信し早期治療を心がけてください。

残念ながら抜歯となり、抜いた部分にインプラントをすることとしました。CTを撮影しそれをもとにSMOPというソフトを使ってインプラントを設計します。

SMOPで設計したとおりにインプラントを行うため、サージカルガイドを作成します。これをはめたまま30分程度で終わる処置となります。簡単な症例であれば歯茎を切ったり、縫ったりをすることはありません。患者さんも「歯を抜くより楽だった」とよく言ってくださいます。

インプラント埋入後、一ヶ月たった写真ですインプラントは付着歯肉幅(青線で囲ったところ)がとても大切で、このケースでは歯肉移植を行ってはおりませんが、場合によっては二次手術として歯ぐきを作ることが必要になります。ブヨブヨとした柔らかい歯ぐきでは清掃がしにくくなりインプラント周囲炎という歯周病のようなものに罹ってしまいます。

サージカルガイドによって狙い通り、設計した位置にピンポイントで入れることができます。

インプラントは埋入後2~3ヶ月すると骨と結合し安定します。通常は安定してから先に進みます。(前歯などはこの限りではありません)インプラントは下部(歯根相当部)と上部(歯の形に相当する部分)の2層構造をしています。手術をしていれるのは下部の部分です。上部構造(歯の部分)を作っていきます。シリコーン印象材を用いて精密に型取りをします。

インプラント上部構造(歯の部分)をいれた直後の写真です。インプラントはかみ合わせを管理し、手入れさえしっかりすれば長く持ちます。しっかり噛める感覚を取り戻すことができます。治療費の総額360,000円 外税(CT撮影代含む) 副作用として術後の疼痛、インプラントの脱落などが生じることがあります。

もし寝たきりになり、ご自身でお口のケアができなくなった場合は、写真の銀のボタン状のものを交換し平らにすることもできます。入れ歯用のボタン(インプラントオーバーデンチャー)にも変更ができます。しっかりと定期メンテナンスをすれば、本当に長く持つ治療法です。